20130427『天安門』 リービ英雄
リービ英雄はアメリカ人で、長年日本に住み日本語で作品を書いています。そして、少年期を台湾で送っていたので、彼の中にはアメリカ、日本、台湾、中国という文化圏が存在します。『天安門』はそんなリービの一種のルーツ探しでもあります。台湾人にとって中国は複雑な感情の向く先でしょうし、主人公には個人的に複雑な想いも交錯しています。安部公房は少年時代を満州で過ごしていますが、その跡を探しに行きます。本作は短編集ですが、全ての主人公が何かを探しています。それはリービにとって「自分探し」でもあるでしょうし、我々にとっては「境」が不明瞭になってきた現代において、自分の立ち位置を求める旅でもあるでしょう。...