20100216『塩の道』 宮本常一
パリのピカソ美術館は、元々「Hôtel salé(塩の館)」と呼ばれる塩税徴収官の館でした。つまり塩はパリに入ってくる時に税金を取られていたのです。それほど貴重なものであったということです。宮本常一の『塩の道』はタイトル通り塩が運ばれてくる道にまつわる逸話ですが、非常に興味深いものです。例えば塩を運ぶのには馬よりも牛を使うことが多かったそうです。その理由がお分かりでしょうか。なるほどと思わせられますが、先人の知恵の凄さに驚きます。大岡昇平の『野火』においても、塩は重要な役割を果たしていました。田村が地元民を撃ってしまった原因も塩ですし、後に彼が生き残っていく切っ掛けも塩でした。それほどに塩は私たちにとってなくてはならないものです。そんな塩の「道」は数々の示唆に富んでいます。 フランスは塩が豊富だ。地中海でも大西洋でも作っているが、ブルターニュの「ゲランドの塩」は日本でも有名だろう。特に「fleur de...