3. Paper 2 比較小論文

Paper 2(試験問題2)とはどのような試験なのか。準備はどのように進めていくのか。試験で注意すべき点は。このような疑問について明確に説明します。また実際に出題されるような設問を示し、解答例(教師のみ)も掲載します。
試験問題2:比較小論文
「文学コース」と「言語と文学コース」共通(HL、SLでも共通)で4つの一般的設問が出題され、その中から一つを選択し、学んだ文学作品のうち、HLエッセイおよび個人口述(IO)で使用していないもの2冊を使用して論じます。制限時間は1時間45分で、評価規準も2つのコース及び2つのレベルで共通となっています。
答案の長さに制限はありませんが、以前2時間の試験で高得点を取るためには原稿用紙(400字詰め)6〜8枚程度は必要だったことから逆算しますと、5〜7枚程度を目安とすると良いでしょう。
時間配分は20〜30分でプランを立てて、10分程度で原稿用紙一枚書いていくと、最後に見直しの時間をとることができます。全体の構成は基本的に2つの形が考えられます。
- 作品毎に論じていく
―序論(0,5〜1枚)選択した設問をより明快に解釈して提示し、使用する作品名と作者名とを明記します。
―本論1(2〜2,5枚)作品Aに関して設問に沿って分析をして、小結論として明確なものを提示します。
―本論2(2〜2,5枚)作品Bに関して設問に沿って分析をして、小結論として明確なものを提示します。
―結論(1枚程度)2つの小結論を比較して、共通点と相違点を明確にして総合結論を出し、さらに作者の意図や文学の特色等にも言及するよう試みましょう。
- 要素毎に論じていく
―序論(0,5〜1枚)選択した設問をより明快に解釈して提示し、使用する作品名と作者名とを明記します。本論の構成を提示するのも良いでしょう。
―本論1(1,5〜2,5枚)設問に答えるために重要な要素を2〜3設定し、それに沿って本論を構成します。要素(ⅰ)に関して作品Aと作品Bを分析し、小結論を提示します。
―本論2〜3(1,5〜2,5枚)同様に要素(ⅱ)、要素(ⅲ)に関し、2作品を分析して小結論を示します。
―結論(1枚程度)小結論を比較して、共通点と相違点を明確にして総合結論を出し、さらに作者の意図や文学の特色等にも言及するように試みましょう。
※この「要素」の代わりに「共通点」と「相違点」に分けて分析する事も可能です。①のパターンで書いていって時間不足となった時に、結論で共通点と相違点の考察が疎かになる事があります。それを避けたければ、②のパターンで共通点と相違点に分けて書いていけば良いでしょう。比較小論文の要は「比較」ですから、十分に比較考察ができる構成を探して下さい。
【答案作成の重要点】
- 「比較」をする小論文である事を、常に意識して下さい。比較の考察が浅かったり、できていなかったりすると、大きな減点となります。
- 選択した設問が何を求めているか、しっかりと考えて下さい。「このリンゴは美味しいですか?」と聞かれているのに「このリンゴの大きさは直径15センチで、色は赤に少しオレンジが混じっていて、下に行くにしたがって緑が現れる。糖度は13度で酸は少なく子供も食べやすい。」などと分析していっても、点数は取れません。余計な事は書かずに「上手い」とひと言書いた方がましな点数になります。何を問われているのか考えて、それに答える事に集中しなくてはいけません。
- また、良くある設問ですが、二つの事を聞かれている時は、きちんと二つに答えないと減点されます。例えば「2作品における主人公の葛藤をどのように描写し、それはどのような効果を上げていますか。」というような場合です。この場合、主人公の葛藤がどのように「描写」されているか例を上げながら説明し、その後にそれがどのような「効果」を生んでいるか答える必要があります。どちらか片方だけでは高得点になりません。
- 試験の始めに20分程度を使って、プランを建てる事が有効です。設問で何を聞かれているかメモし、それに対して2作品ではどのような答えを書くべきか簡単にメモして下さい。そして、共通点、相違点も同様にメモします。メモは下書きではありません。それぞれ一行程度で良いのです。ただ明確なプランを建てて、それに必ず沿って答案を書くようにすると、構成も安定します。
- 作品からの具体例は直接引用(「」をつけての引用)である必要はありません。間接引用(「」をつけずに自分の言葉で説明する)で十分です。重要なのは、引用した部分が必ず設問の答えに関係していて、その論拠を述べる事です。論拠無しの引用は説得力が出ませんし、作品としては重要な部分でも、設問と密着していなければ効果はありません。
- その意味において、素晴らしい答案を参考にしてそれを覚えて使用しようとしたり、作品の重要なテーマやキーワードを暗記して、それを何とか使おうとしたりするのは、良い方法ではありません。あくまでも設問に対しての明快な答えを考えて、それに説得力を出すためにはどう説明すれば良いかと工夫して下さい。何が出るか分からない試験の準備は不安でしょうが、どんな問題が出ても書けるというように作品を多角的に考察しておくことが最高の準備となります。
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2024年9月の新学期から、Paper 2 比較小論文の改訂版評価規準(25点満点)が導入されました。そして、2026年5月試験から、この改訂版評価規準で採点が始まりました。改訂版の重要点と注意点を解説します。 評価規準の改訂版は2024年夏に発表されましたので、5月受験の学校は2024年9月からこの評価規準が導入され、2026年5月試験から適用されました。11月受験の学校は、最初の試験が2026年11月となります。
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Paper 2(比較小論文)はLAL,Lit、そしてSL,HL共通の試験問題であり、評価規準も共通です。4つの設問が出題され、一つを選択して、学んだ文学作品2つを分析しながら設問に答えます。またこの課題では設問に関する類似点、相違点を比較することが求められています。