20100221『決壊』 平野啓一郎
平野啓一郎は『日蝕』で衝撃的なデビューを果たし、三島由紀夫の再来などと言われましたが、私は三島よりもカズオ・イシグロに近いと考えています。何故なら、彼の作品はスタイルも内容も千変万化で、時代の変化を上手く捉えながらも、確実に問題提起をしているからです。この『決壊』はITにまつわる現代社会の根本的問題を顕在化しています。ITは私たちが「使う」ために生まれたのかもしれませんが、IT自身には使われるという自覚も人間を使うという意識もありません。ただのシステムに過ぎないのでしょうが、システムが暴走(決壊)する時に何が起こるのでしょうか。システムにはエラーがつきものです。そしてシステムはエラーを修正しようとします。人間の存在が「エラー」であったなら・・・・・・ 教育の世界にも、確実にIT化の波は押し寄せている。私の勤務するInternational School of...