20100420『山のパンセ』 串田孫一
串田孫一は詩人で哲学者ですが、彼のエッセイにはたまらない魅力があります。個性的であると同時に、詩人の哲学がそのまま表現されているのです。山に登ることは串田にとって特別なことではありません。朝起きて顔を洗って食事をするように、日常の出来事なのです。そして、彼はその日常に自分を探しに行くのです。『青い鳥』ではありませんが、自分探しの旅は遠くへ行かなくても良いのです。一人で山を歩きながら、見るもの、聞くものの中に自分を溶かし込み、自分も山の一部になります。そうすると、不思議な充実感と寂しさが表れます。そういった「寂しさ」を探しに行ったようです。私たちもかつては自然の一部であり、山の一部であったのでしょう。そういった原始の「自分」を見つけることこそ、哲学の目的なのかもしれません。...