20080427『アドルフ』 コンスタン
例えどれほど科学技術が発達しようと、人間が存在する限り恋の悩みは尽きないでしょう。『アドルフ』は十八世紀にコンスタンが執筆した恋物語です。普通の恋物語は悲恋で終わるか、恋が成就する所で終わるのが一般的でしょう。ところがこの作品は、何と苦労して恋が成就してから始まるのです。相手に夢中になっている時は、全人生をかけてでもこの恋を手に入れようと努力しますが、その願いが叶ってしまうとどうなるのでしょうか。二人は白髪になるまで仲良く暮らしました、となるのでしょうか。あれほど相手を求めていたのに、一緒になってみると・・・・・・という体験は案外多いのかもしれません。そのような場合を描いた作品は意外と少ない物です。『アドルフ』はそんな苦しみを見事に描いています。...