20100825『先生とわたし』 四方田犬彦
『先生とわたし』というタイトルは、夏目漱石の『こころ』の「先生と私」を思い出します。そして、確かにこの作品は作者である四方田犬彦と東大英文学教授の由良君美との交流を描いています。由良は漱石の「先生」に勝るとも劣らない個性的な先生です。しかし、四方田は由良の紹介を書いているのではありません。四方田はニューアカデミズムの旗手とも言われましたし、サブカルチャーの代名詞ともなり、現在の日本のアニメ・漫画の世界的ブームのある種火付け役ともなりました。もう「サブ」ではなく「メイン」であるとも言われます。そんな四方田が本作を書いた動機は、作中の「はたして人よりも若干の知識をもっているというだけで、それを職業として生計を立ててよいのだろうか。」という一文に集約されているようです。DP教師の自戒の言葉でもあるでしょう。...