20120611『大往生したけりゃ医療とかかわるな』 中村仁一
何とも驚くタイトルですが、中村は特別養護老人ホームの常勤医師で、老人医療の専門家です。それなのに敢えて「医療が"穏やかな死"を邪魔している」、「『できるだけの手を尽くす』は『できる限り苦しめる』」であると断言します。豊富な資料を元に、これらの逆説的表現を丁寧に説明していきます。そして「食べないから死ぬのではない、『死に時』が来たから食べないのだ」というのは説得力があります。「終括」について種々な形で論じられていますが、中村は癌は理想的な死に方であると言います。何故なら周囲に死にゆく姿を見せることができるからです。それによって、周囲の人たちは死を垣間見て、自分たちがより良い生を送る事を考えるからです。これは『徒然草』でも表現されている、重要な指摘だと思います。...