20120130『真珠の耳飾りの少女』 トレイシー・シュヴァリエ
この本のタイトルはもちろんフェルメールの一枚の絵にちなんでいます。昔からこの真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)のモデル探しが行われていますが、明確なことは分かっていません。トレイシーシュヴァリエは分かっている範囲の史実を存分に活用しながら、この少女に対して想像力を働かせています。そして、フェルメールがどのようにしてあの美しい色を発見していったのか、その秘密の一端を明かしてくれます。もちろんそれも作者の想像に過ぎないのですが、史実の使い方が上手なので、奇妙な説得力があります。この少女に憧れた青年は世界中に存在するでしょうが、私も初めてパリに語学留学した時に、デン・ハーグの小さな美術館の小さな部屋で、この少女と小一時間見つめ合っていたことがあります。...