20100118『告白』 町田康
町田康の作品にはいつも不思議なリズムが流れています。いや、「流れる」ようなリズムではなく、どちらかと言うと途切れることが多いリズムなのですが。それはある種非常に人間臭いリズムであり、自分で自分の体を持て余しているような、生理的不快感と快感の間で揺蕩うようなものです。不規則でありながら、全体ではどこか規則性がありそうな、そんな不思議なリズムがあります。彼がミュージシャンでもあるからでしょうが、そのリズムがこの文庫本で800ページ以上の長さを一気に読ませます。明治26年に実際に起きた「河内十人斬り」を基にしています。この凄惨な事件を町田は個性的に料理して、私たちにこれこそが人間なのではないか、という根本的な命題を投げかけています。...