20070903『破戒』 島崎藤村
二十一世紀になっても差別はなくなっていません。民族差別、階級差別、人種差別、種々の差別が存在しています。時には明示的に、時には暗示的に。差別は良くない、というのは簡単ですが、差別と戦っていくのは難しいことです。だが戦わないと差別はなくならないどころか、減っていかないでしょう。ではどうやって私たちは差別を認識し、それと戦っていけるのでしょうか。そのヒントが島崎藤村の『破戒』に見つかるでしょう。主人公の丑松の苦しみを共有することで、私たちは簡単に加害者となってしまうことを学べます。その自覚こそが差別に対抗する力となるに違いありません。 私の勤務する国際学校では、 島崎藤村の『破戒』を毎年10年生(高校1年生)時に扱っている。同和問題に対する理解だけではなく、広く「差別」というものについて考えて欲しいからだ。その時に「あなたは自分の心の中に差別意識があると思いますか。」という質問を生徒にすることがある。...