20100520『夏の朝の成層圏』 池澤夏樹
池澤夏樹の父親は福永武彦です。詩人で作家であった父の才能を継ながらも、池澤はまた別の個性を育んでいます。彼の素晴らしい所は人間に対する真摯な姿勢です。何も足さず、何も引かず、あるがままの等身大の人間を捉えようとしています。本来の人間の「自然」を認識して、それを表現しようとしています。それ故に池澤の表現が現実と乖離しているように感じるならば、それは現実があるがままの人間から離れてしまったという事です。私たちは彼のテクストを読むことによって、現在私たちが立っている場所を再認識することができます。それは取りも直さず、あるべき未来へのベクトルとなって、私たちの進むべき道を教えてくれることでしょう。 「文明は麻薬か?」...