20081228『ニッポンの小説 百年の孤独』 高橋源一郎
高橋源一郎は挑発的な作品を数多く著していますが『ニッポンの小説 百年の孤独』もなかなか刺激的な評論です。彼の問いの特徴として、常に原点を求めています。小説について考える時、彼は私たちにその小説は「どこにあるのですか」と問いかけます。ここにあります、ということは簡単そうで難しいものです。そうして私たちは「小説」というものがいかに曖昧なものであるか、認識させられます。私たちは普段生活している時に、「あなたは生活しているのか?」と尋ねられたらどう答えるでしょうか。私たちが無意識のうちに受容して、無意識のうちに忌避しているものについて問われることは、私たちの存在そのものについて考える事に繋がります。その意味において「小説」は私たち自身の存在そのものであるという結論に導かれます。...