20070524『香水』 パトリック・ジュースキント
私はかつて長い間ワイン会を主宰していました。ワインの魅力の一つは「香り」です。2,000種類以上もあるといわれている香りを探していくのは大変ですが、素晴らしい経験でもあります。大好きな熟成したブルゴーニュの赤ワインの香りなどは、正に「官能的」でうっとりとします。飲まなくても良いのではないかと(もちろん飲みますが)思わせる位素敵なのです。それ故に主人公のグルヌイユの気持が少し理解できます。DPでこの作品を選択している学校も結構ありましたが、他の作品とは違った角度から世界を考える事ができる興味深いテクストです。 パリには独特の香りがある。1983年に2度目のパリ訪問(それが今まで続く滞在となっているのだが)の際に、地下鉄のホームでその懐かしい香りを吸い込んだ。ジタンヌという強いタバコの香りに埃や乾燥した空気の臭いが混じったとでもいえば良いのか、とにかく私にとってはパリと結びついた香りだった。...