20100322『吉本隆明自著を語る』 吉本隆明
私たちの世代は、吉本ばななは吉本隆明の娘だという話になりますが、現在の若者ならば、吉本隆明は吉本ばななの父だということになるでしょう。とは言え、この「父」の作品は全く色褪せていません。というより現在こそ彼の文学理論の本領が発揮されると言えるかもしれません。私は吉本の『共同幻想論』をかつてDPのテクストとして扱いました。難解ですが、結構生徒たちは面白く挑戦してくれました。彼の作品は多岐に渡りますが、結局の所詩人として文学評論を書いていると言えば、統一感が出ます。そして、彼の書くテクストからは、重要な文明論が引き出せます。例えば本書では、今の為政者達が日本は国際化できると考えているようですが、「戦前と同じで相当追い詰められている」と断言します。現状を見ると、吉本の分析は的を射ているように思えます。...