20080421『草枕』 夏目漱石
漱石の『草枕』の冒頭は余りにも有名です。「山道を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」最近はこの文章を知らない人も増えてきたようで寂しいですが、世の中を見事に表現していると思います。このような、箴言とも警句とも言えるような言葉がリズミカルに溢れている作品です。最初は多少読みにくいかもしれませんが、慣れてくると非常に心地良いリズムに流されます。ストーリーもどこか神秘的な所があり興味深いですが、鄙びた温泉へ旅に出たくなるような素敵な空間に満ちています。...