20120809『羆撃ち』 久保俊治
『羆撃ち』は大学を卒業すると共にプロのハンターとなった作者の半生を描いたものです。昨今は熊が街中に出現し、人が襲われるという事件が頻繁に起こっています。そして熊に立ち向かうハンターが不足しています。とは言え、私たちはハンターのことを余り知りません。本作はハンターの仕事とはどのようなものなのか、明確に教えてくれます。何より印象的なのは、斃した獲物の命に対する作者の畏敬の念です。そして、ぎりぎりの所で獲物と戦っている作者の緊張感です。ハンターが、何かが違うと感じた時には、いつも重大な事実が隠されています。私たちが失いつつある「感覚」です。熊を殺すことの是非を論じている今こそ、重要となるテクストであるに違いありません。 「生と死に対する畏敬の書」...