20100927『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦
本作は後に漫画、舞台、アニメにもなっているので、ご存じの方も多いでしょう。京都好きにはたまらない作品ですし、正に奇想天外な作風は「大正ロマン」ならぬ「昭和ロマン」とでも言えそうです。主人公の「乙女」は恐ろしいほど酒に強く、どんなものを食べても腹を壊さないという存在です。私たちが一般的に想像する「乙女」とは正反対であると言えるでしょう。この不協和音が実に面白いのです。間違いなく「森見ワールド」と呼べる世界が展開されています。一見普通の人間とは違う人たちが描かれているように感じますが、結局森見が描いているのはどこにでもいる人たちの姿なのです。それ故に奇妙な親近感を覚えます。このテクストの特徴を分析し、他の手法(ドラマ、アニメ、映画、舞台等)への転換方法を考察するのは、DPの興味深い授業となるでしょう。...