20101221『幼女と煙草』 ブノワ・デュトゥールトゥル
正義とは何なのか、法律は正しいのか、幼女は守られるべきなのか、一見普通と思われる感覚が、実はそうではないと気づかされます。これは日本人には難しい感覚かもしれません。小さい時から議論することが当然となっているフランス社会だからこそ、生まれる風刺であり、告発なのかもしれません。とは言え、このような感覚は社会を正しく保つために必要だということがよく分かります。分子生物学の世界から見た「人間」と同じように、社会も周辺では常に振動していて、その振動によって全体が保たれているのでしょう。不条理文学は正にその「振動」です。これが止まってしまうと、全体も死滅へと向って行きます。世の中に確たるものは存在せず、常に微調整が必要なのです。この作品はそれを知らしめてくれます。...