20111226『私にとっての20世紀』 加藤周一
DPの必読書と言っても良いでしょう。加藤周一は20世紀を振り返り、自己の体験を交え、私たちに貴重な提言をしてくれました。例えばベトナム戦争の時にカナダで教職に就いていた加藤は、戦争批判の先頭に立つのは国際関係論者、歴史学者、政治学者たちではなく(彼らは最後になったそうです)、自然科学者、文学者、それに若干の社会学者であったそうです。私たち文学教育に携わる者もそうあるべきでしょう。加藤は戦争は子どもを殺すから絶対に反対だとも述べています。子どもなき地球は未来なき地球となりますから、当然のこととして納得できます。専門化が進んでいけばいくほど現状維持へ傾き、保守主義が強くなるとも言っていますが、現在を見事に予測しています。「今」を理解するための素晴らしいテクストです。...