20080529『金閣寺』 三島由紀夫
三島由紀夫の『金閣寺』は有名で、IBのテクストとなる事も多い作品です。実際に金閣寺は寺の修行僧林養賢によって焼かれたという事実もあります。その事件を三島は「美」の問題として昇華しようとします。主人公の溝口は自身の吃音のせいで、自分は醜いと考え、対極の「美」の極致である金閣寺を求めます。最初は戦中の心中を願い、次に支配することを期待しますが、どちらも成就しません。忘れて実社会と繋がろうとすると、その邪魔をします。八方ふさがりとなった溝口が選択した道は、金閣寺を焼いて抹殺することです。最後に甘えなのか心中を希望しますが、金閣寺に拒否され諦めます。そして自殺の道具を投げ捨て「生きよう」と思うのですが、ここが難解です。これを考える事は、三島の割腹自殺の理由を知ることに繋がるかもしれません。...