20081226「ケータイ小説は文学か」 石原千秋
「ケータイ小説」と言っても、Z世代は知らないかもしれません。それを考えると、二十一世紀のITの進歩がいかに早いか驚きを禁じ得ません。スマホ世界の住人にとってはケータイは「ガラケー」としての認識しかないのでしょう。携帯電話が存在しない時に成人した私にとっては、「ケータイ」の出現ですら革命的出来事でした。文芸評論家の石原千秋が論じた「ケータイ小説」は、最近ではその表現を聞くことも余りありません。石原は当時最新の小説形態を考察して、果たしてこれは何を意味しているのか考えています。一人の人間と世界との差が縮まり、一見世界が均質化していくような錯覚の下、私たちは自己の立ち位置をどこに求めるのか、世界との関係をどのように捉えるべきか、そういった問題についてヒントを得られる作品です。...