20120827『北海道の旅』 串田孫一
串田孫一は旅する詩人であり、哲学者です。交通の便が良くなるにつれて、私たちは「旅」をする機会が減ってしまいました。「旅行」には行くでしょうが、「旅」に出ることは難しいでしょう。旅行は団体でも個人でも、行く場所が決まっていて大体予定をたててその予定に沿って移動していきます。しかし旅はせいぜい最終目的地くらい決まっていれば良いくらいで、途中も行ってから考えることが多いでしょう。串田は都会の日常生活の中で、自己の内部が風化し始めると旅に出ます。そして自然の中に身を置き、内部を浄化するのです。癒しだけが目的ではなく、自分自身を新たにして、より良い日常を送るための手段です。例え自分が旅に出る時間が取れなくても、串田のエッセイと共に旅を楽しむだけでも少しは浄化作用がある気がします。 「自然と同化する旅」...