20130211『文学フシギ帖ー日本の文学百年を読む』 池内紀
文学には「不思議」はつきものですが、池内紀はもっと面白い「フシギ」を披露してくれます。本好きにはたまらないエッセイと言えるでしょう。夏目漱石の『我輩は猫である』は誰でも知っているでしょうし、読んだことのある人も多いでしょう。しかし漱石が同時期に「我輩は狸である」という作品を書いていたことを知っている人は余りいないでしょう。本当のタイトルは『琴のそら音』というらしいのですが、何だか煙に巻かれているようです。他にも「フシギ」が沢山紹介されています。取り上げている作家も興味深いですし、ただ面白いものを書き並べているわけではなく、予見性に満ちた文明論にもなっているので、飽きることなく読み進めることができます。...