20090828『あめふらし』 長野まゆみ
長野まゆみの作品は強烈な個性に満ちています。きっと好き嫌いが分かれると思います。初期の作品『少年アリス』や『野ばら』は、どこの国とも言えない不思議な雰囲気が流れていて、不思議な現象が起こります。しかし読んでいくうちにそれが不思議ではなくなっていきます。正に「長野まゆみワールド」に迷い込んでいくのです。『不思議の国のアリス』とは違うのですが、どこか共通点もあるような、まるで夢を見ているような世界です。私は好きですし、個性的な文体、文学として分析するのも楽しいと思います。巧みな比喩と共に現実を忘れることのできる時を楽しんでください。 長い一時帰国(7週間)から、先週末にパリに戻ってきてホッとしている。一番の違いは、時間の流れ方と人との関係だろうか。ここでは、時は自分に合ったリズムでゆっくりと流れ、人はあるがままの姿なので、こちらも自然体でいられる。日本滞在の後半に、暑さを少しでも忘れるために、久し振りに長野まゆみの作品を読んだ。...