20090727「私という運命について」 白石一文
白石一文は父親の白石一郎と共に二代で直木賞を受賞しています。本作はテレビドラマにもなっています。主人公の女性は男女雇用機会均等法を背景とした、女性総合職の一期生です。かつての教え子達もこの「女性総合職」という特殊な採用方法に悩んでいました。男性と同じレベルの給与と出世が保障される代わりに、男性同様残業、転勤、接待が課されることが多かったのです。逆に男性には一般職、総合職という選択肢はなかったため、全ての男性が総合職となっていました。結果的に、同じ総合職なのに、就職すれば自動的に総合職となった男性と、厳しい選抜を経て総合職となった女性との間に、能力格差が生まれました。当然のこととして、女性のほうが優秀であったのです。これはこれでひずみを生みました。そんな時代背景の中、主人公の29歳から40歳までの人生を描いています。文学がどのような時代を反映するのか、人は時代にどのような影響を受けるのか、考えさせられる作品です。...