2. Paper 1 設問つき文学分析

Paper 1(試験問題1)「設問つき文学分析」とはどのような試験なのか、どのように準備を進めると良いのかについて解説します。試験で注意することは何かについても説明します。また、実際の試験に出るような問題を示し、その解答例も掲載します。
試験問題1:設問つき文学分析
IBのカリキュラムは大体7年位で見直しが行われています。この試験問題1に関しても、現在に至るまでに種々のパターンが存在していますが、全てに共通しているのは「未見の文学テクスト(完結しているものもあり、抜粋もあります)が出題され、それを分析、解釈する」ということです。何らかのGuiding questionがついているものもあり、またないものもありました。現在は「考察を促す問い」が一つついていて、それを通して課題文を探究することが求められています。
この問いを扱わず、テクストの中で生徒が重要だと感じる技法や形式に関わる他の要素に関して、別の切り口を提案することも認められています。しかし、限られた時間の中でテクストを分析して解答を書いていくのですから、他の問いを考えている余裕がある生徒は少ないでしょう。実際はほとんどの生徒が、与えられた「考察を促す問い」を使用して論じていると考えます。ただ、与えられた問いが生徒にとって難しく、論じることが不可能だと判断した場合に、自分で問いを設定して論じることができるというのは、良い「保険」となります。
この試験で重要なのは、問いに単純に答えれば高得点に繋がる訳ではないという事です。IBのガイドが示しているのは、考察を促す問いに基づいて「課題文を探究する」事です。つまり最終的に求められているのは、出題された課題文が何を意味していて、作者はそこにどのような工夫をしているか、といった事です。そして、その分析をするための「道」を示しているのが「考察を促す問い」なのです。終着地に到達するための「道」は他にも色々とあるでしょうが、示された道を通っていく必要があります。他の道を通ったり、種々の道を通ったりすれば良い答案にはなりません。また、指定された道を通った事を示すだけでもハイレベルの解答とは言えません。
結局この試験では「考察を促す問いに基づいて分析を進め、テクストが示す意味とそこに見られる作者の工夫とを考察する」事が求められています。
出題される文学テクストはPRLに記載されている4つの文学形式「随筆・評論」、「物語・小説」、「詩歌」、「戯曲」から2つです。つまりどの文学形式も50%の確率で出題されるという事です。そして、HLでは2つのテクスト両方を論じる事が必須です。それ故に「今年は詩と小説が出るだろう」や「いや、今年は詩と随筆に違いない」などと予想して準備する事は意味がありませんし、避けるべきです。4つの文学形式のどれが出題されても良いように準備を進める事が大切となります。
「考察を促す問い」は「技法または形式に関わる」となっています。「技法」は「このテクストにおいて暗喩がどのように使われてどのような効果を生んでいますか」や「このテクストで段落の構成はどのような特色があり、どのような効果を生んでいますか」などの、作者の工夫した「技法」について問うものです。「形式」はテクストの文学形式特有の要素について問われるので、「この詩において頭韻はどのような特色があり、詩全体にどのようなトーン(色調)を与えていますか」や「この戯曲におけるト書きはどのような特色があり、登場人物にどのような影響を与えていますか」などといったものになるでしょう。
実際の試験における時間配分は、SLが1時間15分で一つのテクストの分析、HLが2時間15分で二つのテクストの分析であることを考えると、見直しの時間を別にして、約1時間で一つのテクストを分析して答案を書けるようにするのが望ましいことになります。解答用紙としてIBが準備するのは400字詰めの原稿用紙スタイルです。原稿用紙の書き方を習得することも大切ですし、分析結果を十分に生かすためには原稿用紙4〜5枚程度を一つのテクストに費やすことが必要です。
プランがある程度練れていれば、原稿用紙一枚は10分程度で書くことができます。そうすると分析とプラン作成にかけられる時間は15〜20分となります。普段からこの時間を意識して、教室での演習に臨むと効果的です。種々の形式のテクストを分析する練習をして、15〜20分で分析と簡単なプラン作成までできるようになることが重要です。
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