20081005『生命徴候あり』 久間十義
久間十義は実際に起こった事件を題材として作品を書くことが多いのですが、もちろんフィクションです。とは言え、事実を描くだけでは「事実」は見えて来ませんし、種々の「真実」が蠢いている時もあり、事実はますます見えにくくなってしまいます。そんな時私たちはどのように対処するべきでしょうか。メディアの報道も彼らなりの「真実」でしょうが、「事実」を報道しているとは限りません。ネットの世界に流れているものは、執筆者の「真実」どころか、種々の思惑が混じり事実を捉える事はかなり難しくなっています。一つの方法として、質の良いフィクションを読み、そこから「事実」を捉えるという方法があります。逆説的に見えるかも知れませんが、事実を明確にするフィクションというのは間違いなく存在しますし、本作品もその一つであると言えます。...