20080329『百物語』 杉浦日向子
「百物語」というと、怪談の定番と言えるでしょう。一人ずつこわい話をしていくと、百話が終わった時に本物の妖怪が出現するという伝説です。水木しげるのように古くから妖怪に注目していた漫画家もいますが、「呪術廻戦」のような新しい妖怪物も隆盛です。電気のなかった昔は、夜になると至る所に闇が潜んでいて、人間にとって妖怪は身近な存在でした。夜も明るくなり闇が減ってくると、妖怪も存亡をかけた自己主張が激しくなったのか、パワーアップしたものが多くなりました。グレーゾーンが減ってしまい、優しい闇の世界が減少したようです。そんなに二十一世紀にこの「百物語」を読むとホッとします。そして、私たちにとって妖怪とは何であったのか、原点に戻って考えさせられます。...