文学との出会い1ー読書と映像
皆さんの中には、読書が好きな人も嫌いな人もいることでしょう。しかし「文学(Literature)」で学ぶのは全て文学作品ですし「言語と文学(Language and literature)」でも文学作品は必修になっています。つまりDP日本語Aを学ぶためには文学作品の読書は非常に重要なのです。現在はYoutubeなどの映像文化が発達していますが、映像は内容がストレートに私たちの脳内に入ってくる分、考える時間が少なくなります。読書は文字を読んで理解しますから、一段階複雑な作業を求めます。
例えば小説であれば、主人公は何故あのような発言をしたのかと考えるときは、発言の文字表記を読み理解しなくてはいけません。そして、どうしてこんな発言をしたのだろうとか、聞いた人はどのような心情になっているのだろうか、とかを考える事になります。それには時間が必要です。読書は自分のペースで読めば良いですから、十分に時間が取れますが、映像を見ているときに一々止めて考えている人は少ないでしょう。確かに映像はストレートな分分かりやすいかもしれませんが、受け身になりやすいとも言えます。つまり考える時間が少なくなりがちです。
皆さんはDPの試験で、見たことのない文章が出されてそれを分析したり、自分が学んだ作品を引用しながらテーマについて論じたりします。こういう試験の準備には、丁寧で想像力を生かした読書をすることが何よりも大切です。そしてできたら紙の本を読んで下さい。紙の本には作品以外の多くの情報が詰まっています。紙の質感、香り、ページをめくる音、種々の情報を読書と一緒に取り入れています。それが記憶の強化に繋がります。本の内容を思い出そうとするときに、ページをめくったときの感覚や香りが蘇ってくることがあります。それが内容と結びついているのです。
私は今でも、高校生の時に読んだ多くの文庫本の紙の質、つや、厚さ、香り(インク)、等を覚えています。新潮文庫、岩波文庫、角川文庫 etc それは私の人生を彩ってくれたものであり、今の私と密接に繋がっています。皆さんも、少しタブレットやスマホを消して、紙の本を手に取ってみて下さい。