20120227『不可能』 松浦寿輝
松浦寿輝は非常に挑戦的な詩人であり作家です。何とこの『不可能』では、三島由紀夫が生きていたという奇想天外な話を想像しています。主人公は三島の本名である平岡公威を使用し、首に二筋の刀痕があります。その他にも、棲んでいる場所や建物、家具、太宰嫌いの様子、等等三島の特色が至る所で出てきますので、フアンにはたまらない面白さがあります。平岡は三島の亡霊と対話を続けるのですが、ここには松浦の考える三島の割腹自殺の原因が表現されているようです。種々のイベントやパロディが続出し、文学の広がりを示してくれるような快作です。...