20091206『第四間氷期』 安部公房
安部公房は元々理系に強い作家でしたので、本作に現れる未来の「予言機械」には不思議な現実味があります。この機械は、近い将来海面が上昇し、大陸は水没するという予言をします。この作品が書かれたのが1958年であったことを考えると、現在の地球温暖化による地球への影響が深刻になっている状態に鑑みて、安部の先見の明を感じます。SF的作品ではありますが、安部の文学は常に現実を認識させることが目的でした。そのために、意図的に現実離れしているような世界を描き、そこから逆照射し、真の現実を認識させるという手法をとっていました。この作品を読んで、私たちはどのような「現実」を見る事ができるのでしょうか。二十一世紀を私たちが生き抜くためのヒントが見つかると思います。...