文学テクストの解説 『人間失格』 太宰治

太宰治の『人間失格』は現在も変わらず最もポピュラーな文学テクストの一つです。DPでもよく取り上げられています。このテクストの中心テーマは、主人公の葉蔵が果たして本当に人間失格であるかということでしょう。それを考えていくと共に、葉蔵を理解するためには避けて通れない概念の「道化」について深く考察します。さらに葉蔵と太宰の人生に似ているところが多いために、「私小説」の問題も重要ですので、それについても考えてみます。 作品名:『人間失格』 作者名:太宰治 【人間失格?】 このテクストで議論の焦点となるのは、果たして葉蔵は「人間失格」なのだろうか、ということだ。彼が人間失格かもしれないと判断されうる要因は酒、女、薬であろう。確かにどれをとってもそう考えられる可能性のある要素ではある。昔からデカダンスの代名詞は「飲む、打つ、買う」であるし、博打と薬は同じでは無いが、依存性があるということでは他の要素と同等と考えられる。...


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