20090329『限界芸術論』 鶴見俊輔
鶴見俊輔の『限界芸術論』はIBDPのテクストとして扱うのに、非常に適しているでしょう。何故なら、彼の主張しているのは、視点の柔軟性だからです。いつから刷り込まれているのか分かりませんが、私たちは考えもせず、先入観に囚われています。背が低いから女性であろう、太っているから甘い物が好きだろう、ひ弱で勉強ができるからスポーツはダメだろう、世の中は偏見と先入観に満ちています。鶴見はそれを打ち破ろうとします。芸術は高尚なものであると考えられがちですが、大衆の楽しみである「盆踊り」も芸術の一種となります(限界芸術)。漫才でもそうです。一見芸術とは関係ないように見えるものの中に、限界芸術は潜んでいます。何がどこまで「芸術」と言えるのでしょうか。鶴見の思考の柔軟性は非常に心地の良いものです。...