20091225『大人にはわからない日本文学史』 高橋源一郎
高橋源一郎は常に刺激的な作品を書き続けて私たちを挑発しています。このテクストのタイトルもそうです。文学史の解説ではあるのですが、「大人にはわからない」とついているのが重要です。何故大人はダメなのでしょうか。ここで言う「大人」とは単なる年齢のことではありません。文学作品に関して、常識を理解していると考えている「大人」のことです。つまりこの「常識」が曲者です。常識にはベースとなった考え方があります。ではそのベースが覆ってしまったらどうでしょうか。常識は常識ではなくなり、非常識になってしまいます。文学史を考える時に、文学の基本が根底から変わってきていると作者は言いたいのです。それをわかるのは柔軟な思考を持っている者です。硬直した「大人」の思考ではわからないのです。...