20120328『蛇・愛の陰画』 倉橋由美子
倉橋由美子の作品は高校時代に夢中になって読んだものの一つです。『パルタイ』や『聖少女』を読んだ時の感覚は今でも覚えています。本作は『パルタイ』後の5年間の作品を集めてありますが、正に倉橋が生涯を通じて書き続けた作品の原点が詰まっています。彼女の作品はDPで使われることが多いとは言えないでしょうが、安部公房の作品を取り上げる時に読んで、比較検討すると面白いと思います。安部と似た感触を持ちながらも、絶対に安部が書けなかったものを持っているからです。それは彼女が探し求めていた「どこにもない場所」にヒントがあります。これを探してみるのも面白いでしょう。 パリでは先日「Salon du livre」という書籍展が開かれていた。今年の招待国が日本で、大江健三郎、辻仁成、平野啓一郎等の作家や、萩尾望都、ヤマザキ...